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治療の流れ
  手術(形成・口腔外科)   歯科   耳鼻科   言語
3 - 4ヶ月 初回口唇形成   口蓋形成不全がある場合 生後、間もなく口蓋床を入れる       哺乳、離乳など育児上の助言
1 - 2 歳 初回口蓋形成   虫歯の予防治療   必要に応じて
耳鼻疾患の治療
  精神運動発達の評価
構音、鼻咽喉閉鎖
機能の評価
必要に応じて発音の練習
3 - 6 歳 必要に応じて口唇鼻形成
必要に応じて口蓋再手術
  歯科矯正        
7 -10歳 顎裂部骨移植            
11-19歳 最終的口唇鼻修正   補綴治療        
治療に関わる専門家とは? 口唇・口蓋形成不全によっていろいろな症状がおこります。それぞれの症状を個別に治療するのではなく、子供の成長・発達に即して何が優先かという見通しをもって、各専門家が連携して治療をすすめるシステムが必要です。
海外では外科医、耳鼻科医、歯科医、言語聴覚士等で口蓋治療チームを組んでいるところがあります。定期的なフォローアップでは、同じ日に各々の専門家が診察し、診察後みんなでテーブルを囲んで今後の方針を話し合います。それをコーディネーターがまとめて患者さんと家族に連絡し、必要な治療を進めていきます。
日本でもそのようなシステムが出来ると良いのですが、現実にはテーブルを囲んで話し合う所まで、難しいようです。従って、誰か中心になって治療の相談にのってくれ、他の専門家とも連絡を取ってくれる人を決める必要があります。その条件は「最良の治療を受けるために」をご覧ください。
授乳はどのようにしたらよいのでしょう? おっぱいやミルクを上手に飲むには乳首を口唇でくわえ、鼻の方に逆流しないようにのどの奥を軟口蓋でシールをして吸わなければなりません。ところが唇形成不全や口蓋形成不全がありますと上手にくわえることができず、また鼻の方に漏れたりして、なかなか強く吸うことが出来ません。そのため授乳に時間がかかり、赤ちゃんも疲れて途中で寝てしまったり、せっかく飲ませても吐いてしまったりして悪戦苦闘の毎日です。でも諦めないで工夫していくと必ず飲めるようになります。
また飲む量は個人差がありますので、赤ちゃんのペースであせらずに飲ませましょう。
授乳のヒント
寝かせて飲ませるより、赤ちゃんの上半身を起こしたほうが飲ませやすい。
唇形成不全の部分を寄せるように外科用テープを貼ったり、お母さんの指でふさぐようにして飲ませる。
乳首の孔を適当に大きくしたり、やわらかめの乳首を使う。 口蓋形成不全用の乳首も市販されている。(注)
飲み終わってもすぐには寝かせず、ゲップをよく出させてから寝かせる。
上顎に形成不全をカバーするようなプレートを入れる方法もある。
(注)市販の乳首(お近くの薬局で取り寄せられます。)
ピジョン :P型乳首
チュチュベビー:口蓋形成不全用乳首
ヌーク :口蓋形成不全用乳首
その他にもありますので、大空会にお問い合わせください。 口唇形成不全の手術 およそ生後3ヶ月頃、体重が5キログラム以上になってから行われます。全身麻酔でていねいに手術できるようになり、近年は随分きれいに仕上がるようになりました。傷跡も初めは赤く腫れ上がることもありますが、次第に色がうすくなり、周囲の皮膚と同じ状態になりほとんど目立たなくなります。両側唇形成不全の場合、片側ずつ2回に分けて手術する事もあります。
手術は形成外科医、口腔外科医が担当しますが、最初の手術が肝心ですから経験を積んだ医師・歯科医師を選びましょう。
術後しばらくは点滴もありますし、赤ちゃんが傷口に触らない様腕輪をはめておきます。赤ちゃんのためにもお母さんが付き添われてほうが良いと思われます。 口蓋形成不全の手術 口蓋形成不全の手術の目的は、ただ形成不全を閉じるのではなく、言葉を話したり飲食物を飲み込む時、息や飲食物が鼻へもれないように十分ながくてよく動く軟口蓋を作ることです。時期は1歳代で言葉を話しはじめる前がよいとされています。また口蓋の手術は唇形成不全の手術に比べ時間もかかり、出血しやすいので体重が10キログラム以上になってから行った方が安全です。
最近、手術による上顎の発育障害をおさえるため、口蓋を2回に分けて手術を行う施設もあります。その結果についてはまだ意見が統一されていません。2回に分ける場合はどのような経過をたどるのか、利点と不利な店をよく聞いてみましょう。
手術は形成外科医、口腔外科医が行います。やはり経験を積み、軟口蓋の機能(鼻咽腔閉鎖機能)を良く理解している医師・歯科医師を選びましょう。また術後、ことばのフォローができるかどうかも選択の一条件となります。
術後しばらく点滴が続き、舌が腫れて呼吸が苦しくなったりすることもあります。赤ちゃんの不安を和らげるためにもお母さんが付き添われたほうが良いと思われます。 二次手術 口蓋形成不全の初回手術で8〜9割の子供が普通に言葉が話せるようになりますが、鼻咽腔閉鎖機能不全が残った場合には二次手術が必要となります。また口蓋の残孔(瘻孔)も、発音に影響がある場合や飲食物が鼻に漏れる場合は閉じる必要があります。手術の方法、時期、あるいは補綴的治療(口蓋のプレート)などは治療機関によって方針がことなり、統一見解が得られていません。なぜ二次的な治療が必要か、どういった治療方法があるか、納得のいく説明をしてくれる施設を選びましょう。
口蓋形成不全の初回手術後、成長に伴って左右の非対称や傷跡が気になることもあります。小さい修正手術は幼稚園や小学校に入る前にもできますが、鼻の形を治したりする手術は、大人の顔だちになるのをまって10代の中頃以降に行われます。どこまで手術するか、いつ頃するかは、本人の意向を尊重し話し合って決めましょう。 聴力に対する注意 口蓋形成不全の子供は耳の病気にかかりやすく、特にことばを覚える3〜7歳頃、軽度から中等度の難聴を来すことが多いとされています。これはのどと中耳を結ぶ耳管の働きが悪いため、中耳と外耳に気圧差がおこり、鼓膜が内側へ倒れたり、中耳に水がたまったりする出性中耳炎がおもな原因です。このタイプの中耳炎は自覚症状もなく、気が付かないことが多いのですが、聴力の不安定な状態は言葉の発達にも悪影響を及ぼします。日頃から「なんて言ったの?」などの聞き返しが多くないか、テレビの音量を大きくしていないか、後ろからささやき声で呼んで返事をするかどうかなど聴こえの状態に注意し、おかしいと思ったら早めに耳鼻科で診てもらいましょう。
薬や耳管通気治療で改善しない場合は、鼓膜に細いチューブを通す手術が必要となることがあります。幼少時は全身麻酔下でおこなわれるので、他の修正手術と同時にできないか検討してもらいましょう。浸出性中耳炎に移行する可能性もあるので、こまめに治療することをお勧めします。 虫歯に対する注意 歯が生え始めたら虫歯にならないよう予防しましょう。食後の歯磨きやうがいを励行し、おやつも甘いものはできるだけ控え、だらだら食べさせない様注意しましょう。これは本人だけでなく家族みんなで実行しましょう。将来、歯列矯正が始まる時、虫歯だらけでは矯正装置もつけられなくなります。
矯正歯科は歯並びを治療するところですから、虫歯の治療は一般歯科か小児歯科にかかります。歯を抜く場合は、その前に矯正歯科の先生に相談してください。 歯列矯正 口蓋形成不全の術後、下顎に比べて上顎の成長発達が悪くなる為、いわゆる受け口(反対咬合)になったり、上顎が狭くなって歯並びが悪くなることがよくあります。審美的にも、咀嚼機能をよくするためにも治療が必要です。
治療は矯正歯科医が担当します。一般の歯列矯正は実費になりますが、唇形成不全・口蓋形成不全に伴う歯列矯正は保険が使えるようになりました。また育成医療を申請することもできます。育成(更生)医療指定医療機関になっている矯正歯科医のリストが地域の保険所や親の会にありますので、お問い合わせください。
顎の矯正は6〜7歳頃から、歯列の矯正は永久歯の生え揃う小学校の高学年から始まります。最近、歯茎の形成不全のところに腰骨を移植する手術が広く行われるようになりました。この手術は8〜12歳頃が最適とされており、しっかりした歯茎ができれば自分の歯をそこへ移動させて歯列を整えることが可能になります。手術は口腔外科医、形成外科医が行いますが、術前術後の歯列矯正が必要ですので、時期については矯正歯科医と連絡を密にとって決めていきます。 ことばについて ことばを正しく話すには、鼻が鼻に漏れないよう口腔と鼻腔の間を閉じる鼻咽腔閉鎖機能が必要です。これは軟口蓋やのどの周囲の壁の収縮運動によりますが、口蓋形成不全術後、軟口蓋が短すぎたり、運動性が悪かったりすると十分な閉鎖機能が得られないことがあります。そうすると声の調子が鼻にかかたり(開鼻声)、正しく発音できにくい音(パ行、タ行、カ行、サ行など)があったりしてことばが不明瞭になってしまいます。
開鼻声や発音の異常が認められる場合は、早急に鼻咽腔閉鎖機能の検査をして対策を立てる必要があります。検査は息の鼻漏れの程度を測ったり、話しているときの鼻咽腔の様子をレントゲンで透視してビデオにとったり、鼻咽腔フィバーで観察したりして、総合的に判断します。これは口蓋形成不全の手術をした医師と言語聴覚士が協力して行います。
言語聴覚士の役割は、術後のことばのモニターや鼻咽腔閉鎖機能検査だけではありません。赤ちゃんのことばの発達は生まれてすぐから始まっているので、できるだけの早い時期から発達の援助をしていきます。また3〜4歳を過ぎると、必要に応じて発音の練習も行います。定期的にことばの練習に通院するのが困難な場合は、近くの病院や学校のことばの教室と連携して進めていきます。ことばについて補足画像
(Reported by 藤原百合)

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